2015年10月8日木曜日

特色検査について➀

昨年度の高校入試対策は、一昨年度に引き続き、ほぼ予想通りの結果になりました。
“予想”と一口に言いましたが、そこに至るには、生徒たちには心の葛藤があり、塾としてはときに歯がゆさを感じることがあり・・・などというふうに、日々、人間同士がさんざん格闘したうえでの“予想”です。
これはどの塾でも同じだと思いますが。
ただ、特色検査対策と面接対策をしていて思うところがあり、またそれが“予想”に大きくかかわったので、ちょっとだけ考察してみようと思いました。

特色検査の対策をしたのは、柏陽高校と緑ヶ丘高校。まったくタイプの異なる2校だ。
柏陽高校の方がややレベルは高いと言われているが、内申:学力検査:面接:特色検査の比率は3:5:2:2で両校とも同じ。
柏陽と緑ヶ丘の大きな違いは、柏陽は学力検査(入試5科目)の英数国のうち高得点の2科目の点数が2倍になる(傾斜配点という)一方で、緑ヶ丘は傾斜配点がない点。
それと、特色検査の中身だ。
柏陽の特色検査は“科目横断型”だが、緑ヶ丘は“小論文型”だ。
これらの相違点は、デカい。決定的にデカい。
偏差値の1ポイントや2ポイントなんて、簡単にひっくり返ってしまうほどだ。

まず、傾斜配点について。
もし英数理が得意で、国社が苦手な中3がいたとする。もしも・・・、だよ。
彼は入試で、英語90点、数学90点、理科80点、社会70点、国語70点を取ったとする。あくまでも、もしも・・・です。詮索・特定しようとしないように。
緑ヶ丘を受験すればフラット配点だから、400点となる。
柏陽を受験すると英数国のうち高得点の2科目が2倍で700点満点になり、それを500点満点に圧縮するから、(90×290×2807070)÷700×500414点になる。
なんと14点もの差がつくのだ。
そして苦手科目の点数は7分の5に圧縮されるから、点数にばらつきがある場合は柏陽が有利だ。もしもそういう生徒がいたら・・・だ。

次に、特色検査について。
特色検査は100点満点だが、入試の得点としては200点満点に換算される。
学力検査の1科目は100点だから、その倍、つまり2科目分に相当するのである。
そして、内申と比較すれば、中3の内申点と同じ点数比率(200点満点に換算)なのである。
さあ、大事なことは繰り返し言います。
特色検査の点数と、中3内申の点数は、同じ比率です。
特色検査の点数は、学力検査(入試)の2科目分です。
いかに特色検査がデカいか・・・おわかりいただけましたか?
つまり、内申が低かろうが、不得意科目があろうが、特色検査ができればカバーしてくれるのだ。
どうしても苦手な科目があるのならば、また内申がどうしても取れないならば、それらを無理やり克服するのではなく、いっそ特色検査の対策を徹底的にやるのも手なのである。
そのようにして、柏陽に合格した子がいたとしたら・・・?
その子は、緑ヶ丘を受験していたら落ちていたかもしれない。
夏までは緑ヶ丘が第一志望だったのに、自分に有利であると判断して柏陽に変え、合格した。
そういう“予想”が的中した(もちろん紆余曲折魑魅魍魎あったが)ことで、やはり受験って作戦が大事なんだなあと思いました。
たとえば、あくまでも仮に、中1内申がオール4以下で、中2内申もやっとオール4。
小学校時代にはあまり勉強していなかった子が、中3になってからがんばって柏陽に入った。
もしそんな子がいたとしたら、その子をとても誇りに思うでしょう。
そのようなわけで、特色検査についてずいぶん考えさせられたのであります。



つづく
次回、特色検査の問題を解きます。

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