2023年2月26日日曜日

「今日の一文」その4

さて、シリーズ「今日の一文」第4回です。

過去問や問題集を解いていて、お!? と思ったものをご紹介します。

大学入試の英語・現代文・小論文では、著者や大学の先生の考え方を知ることがとても有効です。

入試問題は、大学が受験生に向けたメッセージでもあるのです。

 

今日の一文は、MARCHのどこかの英語より(どこの入試問題かは忘れました・・・)

Just dim the lights, sit back, and enjoy 10 minutes of quiet contemplation, and you'll find that your memory of the facts you have just learned is far better than if you had attempted to use that moment more productively.

(明かりを暗くして、座って10 分間、静かに瞑想するだけで、時間をより生産的に使おうとした場合よりも、学んだばかりの事柄の記憶がはるかに向上していることがわかるでしょう。)

 

元ネタを探したら、BBC Futureというイギリスのテレビのサイトでした。

(https://www.bbc.com/future/article/20180208-an-effortless-way-to-strengthen-your-memory)

さて、記憶をするためにはとにかく詰め込み!と思っている人は多いと思います。

塾でも、見ていると休憩しないでぶっ続けで勉強している子や、休憩のたびにスマホを見ている子もいます。

しかし、そのどちらも良くない! みたいですね。

勉強がひと段落したら、10分間何もしないのがいいようです。

たしかに、勉強した直後にスマホを見た瞬間、それまでに勉強したことはふっ飛んでいく気がしませんか?

私は他でも同じような記事を読んだことがあるので、信ぴょう性はあるのではないでしょうか。

たとえ信ぴょう性が薄かったり、個人差があったりしても、まずは試してみる価値はある方法かと思います。

このように、受験勉強をしながら役に立つ雑学も仕入れるとお得。一石二鳥ですね。

 

 

2023年2月21日火曜日

「今日の一文」その3

シリーズ「今日の一文」第3回です。

過去問や問題集を解いていて、お!? と思ったものをご紹介します。

大学入試の英語・現代文・小論文では、著者や大学の先生の考え方を知ることがとても有効です。

入試問題は、大学が受験生に向けたメッセージでもあるのです。

 

今日の一文は、慶應義塾大学商学部2022年英語より。

Good writing gets dopamine flowing in the area of the brain known as the reward circuit.

(良い文章を書くと、報酬回路として知られる脳の領域にドーパミンが流れます。)

 

さて、ドーパミンといえばギャンブルですね(個人の感想です)。

なんと! 文章を書くことが、ギャンブルをしているときと同じだと言うのです!

なるほど、命を削って小説を書いた文豪が多いのも、ツイッター廃人になる人がいるのも、これで納得ですね。

とえいえ、ドーパミンは、なにも中毒にさせるだけの物質ではありません。

音楽を聴いたり、ジョギングしているときにも出ます。

要は、ドーパミンが出ているときって「気分がいい」のです。

さらに、ドーパミンは勉強に対するやる気と集中力アップに決定的な役割を演じてくれます。

ただし、英文で気になるのは「よい」文章、ってとこですよね?

うん、きっとこれは、自己満足でいいじゃないでしょうか。

例えば悲しいとき、困ったときなどに、そのことを書き出してみる、っていう方法があります。

だから、どんどん書いたらいいんですよ、何でも。

2023年2月14日火曜日

「今日の一文」その2

さて、シリーズ「今日の一文」第2回です。

過去問や問題集を解いていて、お!? と思ったものをご紹介します。

大学入試の英語・現代文・小論文では、著者や大学の先生の考え方を知ることがとても有効です。

入試問題は、大学が受験生に向けたメッセージでもあるのです。

 

今日の一文は、早稲田大学商学部2006年国語(現代文)より。

「統合というものがその原理からして排除を、総合されざる存在を生み出している」

「どんな統合、どんな一体感も、それがどれほど開かれていようとも、つねになにものかを排除することなしには成立しない」

筆者は、フランスがサッカーワールドカップで優勝した際の空気を、「この国で統合を味わうことができてありがとう」という新聞記事を引用して表現している。

しかし一方で、「どこにも行き場がなく」「ひっそりと暮らしている」人々がいることに言及する。

フランスは統合のために、サンクチュアリである教会にまで踏み込んで、行き場のない人たちを「排除」したのだった。


このことは別に、フランスに限ったことではない。

日本だって、見えないだけで、ある一定の枠の中に入りきらない人のことは考慮されない。

国家のような大げさな話でなくても。

例えば横断歩道が青になっている時間。

あれは普通の人が渡り切れるように時間が設定されていて、ということは足の悪い人などは「排除」されていると言える。
大学受験では、国家は悪なんです。

 

あと、私の黒歴史ですが、思い出すだけで嫌なのは中学校や高校で行事のときなんかに言われる「団結!!」ですね。

あれは何だったのかと。

団結したい奴はいい。団結すればいい。けど団結したくない奴(私)まで無理やり団結させようとするのはなんでだ、と。

リーダーには申し訳ないけれど、団結させようとすればするほど、私は嫌になるわけですよ。完璧に団結したいのなら、リーダーは団結したくない奴を排除するしかないんですよ。

つまり、団結はその性質からして必然的に、その内部と外部を作るわけですよ。

 

大学受験の出題者や本を書くような人は、こういうパラドクスが大好きなんです。

そして、世の中全体を見渡して、大多数の人が考慮しない、システムから排除された人々をあぶりだしていきます。

例えば、虐待された子どもたちの「教育の機会均等」

その子たちが、愛情を受けて育てられた子どもと同じスタートラインに立てるとでも?

といった具合に、大学受験では社会の闇にもスポットが当てられます。

中学の国語がお花畑なのとは対照的ですね。真逆です。

大学受験の現代文・小論文をできるようになりたければ、中学の国語の考え方は捨て去るのです。きれいごとはダメ。言わない。

大学受験の現代文・小論文では、多数意見は否定されます。

大学受験の現代文・小論文では、心にドロドロの闇を持つ人間が強いのです。

 

というわけで、少し重くなってしまいましたが、第2回でした。

そして今日も「一文」ではなく「二文」でした・・・

2023年2月10日金曜日

「今日の一文」その1

3たちが旅立ちました。

私たち塾にとってはもう何度目の春・・・ですが、一人一人と過ごした時間は一生に一度きりの出来事です。

悔いのない受験をしてきてほしいと願うばかりです。

 

さて、新シリーズ「今日の一文」です。

過去問や問題集を解いていて、お!? と思ったものをご紹介します。

大学入試の英語・現代文・小論文では、著者や大学の先生の考え方を知ることがとても有効です。

入試問題は、大学が受験生に向けたメッセージでもあるのです。

 

今日の一文は、慶應義塾大学文学部2022年英語より。

Today's cult of convenience fails to acknowledge that difficulty is a constitutive feature of human experience

(今日の便利カルトのせいで、困難さが人の経験の重要な構成要素であることを認識することができません。)

筆者は、便利さの功績、便利さのおかげで昔は貴族しか楽しめなかった自由や教養が万人のものになったことを述べたうえで、「不便さ」の有用性を語ります。

They(=Inconvenient activities) expose us to the risk of frustration and failure, but they also can teach us something about the world and our place in it.

(不便な活動は私たちをイライラや失敗のリスクにさらしますが、同時に、この世界のこと、そしてこの世界での私たちの立ち位置について教えてくれます。)

 

DIYなど自らすすんで苦労を買う趣味や、スポーツ、勉強・・・。

ツールがどれだけ便利になったとしても、上達には経験が必要で、絶対に時間がかかる、つまり「不便なこと」が存在します。

勉強だってスポーツだって、たとえできなくても、生きていくだけなら何も困りません。

ただ、やったからこそ見えてくる世界があるんですね。

私はよく、受験の終わった受験生に、「勉強してよかったか?」と聞きます。

誰一人として、「勉強なんかするんじゃなかった」という子はいません。

繰り返しますが、勉強なんかしなくたって、今の日本、生きていくのに困りません。

大学の偏差値なんて、生涯賃金には微々たる影響しかありません。

それでもなお、不便さを選んだ人には、その人だけに見えてくる世界があるのですね。

 

ちょっとお花畑みたいな話になってしまいましたが、ま、たまには、ね。

あ、「一文」じゃなくて「二文」になってた・・・