2019年2月24日日曜日

高3になる君へ 高3の君へ 合格可能性についてその2


前回、3科目で受験するとして、各科目が合格点ギリギリが取れるか取れないか、という状態では、8回に1回しか受からない、というお話をしました。
では合格確率を2分の1にするにはどうしたらいいのかというと、各科目5回中4回という高い割合で合格点ギリギリを取る必要がある、と計算で出ました。

でも、感覚的には、5回中4回もそれぞれの科目で合格点が取れるのなら、もう合格なんか確実じゃないの? って思いますよね?
それもそのはず、先ほどの計算は、「どの科目も合格点ギリギリ」で想定しているからです。
つまり、3科目のうち1科目は得意科目で、常に合格点が取れる、という状態であれば、合格可能性は飛躍的に高まります。
さらに、得意科目で合格点を上回る点数が取れるのであれば、他の科目をカバーしてくれるので、さらに合格可能性が高まります。

結局、私が何を一番言いたいかというと、3科目それぞれがソコソコできるよりも、1科目でいいから得意科目があった方が、はるかに合格しやすい、ということなんです。

MARCHレベルであれば、
3科目ともすべて偏差値62 (合計は62×3で186)
よりも、
1科目は偏差値70、もう1科目は偏差値60、残り1科目は偏差値58
のほうが合格しやすいんです。 (合計は70+60+58で186)

早稲田であれば、
3科目ともすべて偏差値65 (合計は65×3で195)
よりも、
1科目は偏差値70、もう1科目は偏差値70、残り1科目は偏差値55
のほうが合格しやすいのです。 (合計は70+70+55で195)

ですから、現場の感覚で言えば、
MARCHに受かるには、偏差値70の科目が1科目ほしい
早稲田に受かるには、偏差値70の科目が2科目ほしい
となります。
(ちなみに慶應であれば、英語の偏差値が75以上あると有利でしょう)

逆に言えば・・・偏差値70の科目が1つでもない限り、早慶はおろかMARCHも難しい・・・と言えます。(もちろん、合格可能性はゼロではありませんが)

つまり、つまり、
「どの科目もまんべんなく」勉強していてはダメ!
とにかく得意科目(偏差値70以上)を1つ作りなさい!!
ということでした。

つづく

2019年2月20日水曜日

高3になる君へ 高3の君へ 合格可能性についてその1


みなさまこんにちは。

新シリーズ「高3になる君へ 高3の君へ」を勝手ながらはじめさせていただきます。
ウチは高校生向けの個別塾ですので、「高3になったときにどうするか?」を考える
ことは当然なのです。
そのようなわけで、高3向けのお話をいろいろとさせていただきとう存じます、


さて、大学入試において、合格可能性50%とはどのような状態、雰囲気でしょう?
私立の一般や国立2次で3科目の場合を想定してみます。

ここにAさんがいるとしましょう。
Aさんは明治大学政経学部を第一志望にしているとします。
そして模試では各科目とも偏差値62~63、過去問ではどの科目も2回に1回の割合で合格点ギリギリを取れるとします。

では、Aさんの合格可能性はいかに?

単純計算では、2分の1×2分の1×2分の1で、8分の1になります。
この場合、偏差値62~63のAさんが合格する確率は、8回に1回ということです。
つまり、3科目とも得意不得意の差がなく、3科目とも合格ギリギリの状態では、8回に1回しか合格できません。
現実で考えてみてください。8回に1回って、ものすごいチャレンジですよね?

明治など、MARCH上位を目指して勉強してきて、各科目それぞれ合格点がなんとか取れるようになった。
生徒にとってはもちろん、講師にとっても嬉しい。
「3科目きちんと揃えることができれば、受かる」と思い、生徒も講師もやる気になる。
しかし、この状態では、まず合格しないんです。
ここで私たち大人は、考えてやらねばなりません。
「~できれば」は、当てにならないということを。
タラ・レバで動いている限り、大学受験では厳しいということを。

では、合格可能性を計算上50%にするには、いったいどうしたらいいのでしょう?
さきほどは、各科目ギリギリ合格点が取れる確率を2分の1だったから、3科目にすると3乗して8分の1になったのです。
だから、3科目合格点が揃う確率を2分の1にすればよい。
3乗して2分の1になるようにすればよい。
3乗して2分の1になる数は、2分の1の3乗根です。
電卓でピピピと計算すると・・・2分の1の3乗根は、約1.26分の1でした。
つまり、各科目とも5回のうち4回、合格点が取れる状態でなくてはならないのです。

現場の感覚で言えば、各科目それぞれ5回中4回合格点が取れれば、「もう、合格確実じゃん!!」という気持ちではないでしょうか?
しかし計算してみればあら不思議、2回に1回は不合格になるのです!。

こんな話、いやになっちゃいますよね。

だからこそ、というお話を次回にしたいと思います。

つづく