2022年8月13日土曜日

英語の速読について

そろそろ、

「過去問で、時間無制限なら高得点を取れるようになったけど、制限時間内には合格点が取れない」

という悩みを持つ受験生が増えてまいりました。

というわけで、原因と対策を考えていきます。

 

<原因1>・簡単な単語や文のアウトプットが遅い

受験というと、難しい問題を解く練習をするものだ、という意識が誰にでもあると思います。

が、それは半分正解ですが半分間違いです。

受験では、難問が解けるようになる前に、誰もが解けるような簡単な問題を落としてはいけないのです。

そしてそのような優しい問題は、反射的に正解が出せるようにしなければなりません。

このようなことは、合格者なら誰でも実感するところですが、受験生には理解しにくいものです。

<対策1>・音読したり音声を聴くことで、スピードに慣れる

簡単な単語や文・文法であっても、「できたからいい」「わかったから大丈夫」で終わりにしないことです。

わかるようになってからも、何度も繰り返して血肉化し、反射でアウトプットできるようになるまで鍛えることが必要です。

難しい箇所は、誰が読んでもスピードが落ちます。これは仕方のないこと。

だからこそ、簡単なことが反射的にできるようになるべきなのです。

具体的には、

★出会った長文は合計10回音読(2日以上に分けて)

★文法テキストは5冊以上、1冊あたり3回以上解く

★単語・熟語は1日に大量に読み、無限回(受験前日まで)繰り返す

★「速読英単語」「ALL IN ONE」などの音声を繰り返し聞く

などがいいでしょう。

 

<原因2>・英文の内容が難しい

日本語(全訳)を読んでも何を言っているのかわからない、というパターンですね。

英語や単語そのものは簡単でも、たとえば大学で習う物理や、聞いたことのない哲学のような内容であれば、誰だって読むのが遅くなります。これも仕方のないこと。

逆に、やたらと単語が難しくて、もう無理、という場合もあります。

こういう長文は、もし本番で出会ったら、まあ、言いにくいですけど、半分あきらめてください(笑・・・)。

どんなに勉強しても、世の中には、理解できないことはあります。

ですから、「ヤベッ、ぜんぜんわかんねー」となったら、守りに入るのです。

文法で解ける問題を全力で解く、単語を推測する、内容を想像する、など。

難しい問題は、誰が解いても難しいのです。

伊藤和夫先生も、「知っていることしか読めない」と言っています。

こういう長文に出会ってしまったら、まず半分取ることを目標にしましょう。

<対策2>・雑学を身に付ける

それでも、できるだけ内容を理解できる長文を増やしたい、内容が推測出来たらいいな、ということであれば、もうこれは英語の問題ではありません。雑学の問題です。

できるだけ多くの雑学を知るしかありません。

雑学を知ることは現代文や小論文にも通じるので、対策して損はしないでしょう。

具体的には

★「レベル別 英語長文問題ソリューション」などのテーマ別長文問題集を解く

★現代文を解くとき、内容まで理解しようと努力する

★「現代文標準問題精講」などの、内容に踏み込んだ現代文問題集を読む

★雑学漫画を読む(このブログで紹介しています)

★英語の過去問を解くとき、内容を頭に入れながら復習する

★専門的な語彙を増やす(例えば医学部専用単語集など)

などがいいでしょう。

 

<原因3>・問いを解くのが遅い

時間短縮といえば速読だ、と思い込んでいる人は非常に多いのですが、私は問いを解く練習が一番の対策だと考えています。

上記で述べたように、難しい長文は、難しいんです。

ゆっくり、もしくは何度か読めば理解できる長文を、わざわざ速く読んで理解不十分のまま問題を解くのは、はっきりとですよね?

だったら、長文の内容をじっくり読んで理解して、問いを速く解く、という対策が考えられますね。

<対策3>・問いを解くテクニックを身に付ける

問いを速く解くには、長文が内容として頭に入っていると有利です。

また、文法や熟語の問題を素早く解けるようになっていることや、選択肢を選択したり切ったりするテクニックを習得すること、前置詞などはネイティブに近い感覚を身に付けておくことなどが考えられます。

具体的には

★誰かの指導を受けたり、大西泰斗先生やネイティブに近い人が書いた本を読んだりして、ネイティブ感覚を身に付ける

★誰かの指導を受けながら過去問を解き、選択肢の取捨選択方法を学ぶ

★文法や熟語を瞬殺できるよう訓練して、長文の内容以外の問題で素早く得点できるようにしておく

★内容一致問題はある程度記憶だけで解けるように、短期記憶を意識して過去問を解く練習をする

などがいいでしょう。


<原因4>・速読のバイアスにとらわれている

世間でみんなが「速読、速読」と言うもんだから、速読は当たり前だと思い込んではいないでしょうか。

現代文を学習していればわかりますが、「世間で言われていることは、嘘」です。

もちろん、速読できるに越したことはないのですが、速読だけが唯一の解決方法ではありません。

むしろ、速読してをする場合すらあることは、今まで述べたとおりです。

手段(means)と目的(ends)を取り違えてはいけません。

目的は、時間内に高得点を取ることです。そのための手段は速読だけではありません。

<対策4>・英文を読むテクニックを身に付ける

まず、英文は正しく読む必要があります。速く読んでも、間違えて読んでいたら本末転倒です。

その訓練として、英文解釈という勉強方法が存在するのです。

また、過去問を解くときに、非常に具体的に指導を受けるのも効果的です。

1文1文を解釈しながら読むだけでなく、

★どのタイミングで問いを解くのか

★読みながら印をつけたりするのかどうか

★何を、どこまで理解すればいいのか

★英文は一読でいいのか、何度も読むのか

★最初からじっくり読むのか、最初はさらっと流すのか

などは、指導を受けながら試行錯誤し、自分にあった読み方を探るのがいいと思います。

具体的には

★「英文解釈の技術」「ビジュアル英文解釈」などを読む

★誰かの指導を受けながら、もしくは自分で意識して過去問を解き、自分に合った英文の読み方を探る

誰かの指導を受けながら、もしくは自分で意識して過去問を解き、大学ごとに最良な読み方、解き方を探る(大学によって、重視することはかなり異なります)

などがいいでしょう。 


がんばれ。


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