2018年9月15日土曜日

勉強の根底にあるもの②


勉強の根底にあるもの。
それは早期教育でも規則正しい生活でもなく、ただただ、エネルギーにあると思われる。

シリーズ「勉強の根底にあるもの」
今回は第二弾。英語とエネルギーがどのような関係にあるのかを、んHK風に紹介します。


「英語が好き」
塾ではよく聞かれる言葉である。
それもそのはず、ベネッセ研究所の調査では、複数回答ではあるが中学生の4割弱、高校生の4割強が「好きな科目は英語」と答えている。
しかし塾関係者は、この言葉を真に受けてはいけない、と考えているようだ。
「真に受けて英語をゴリゴリやると生徒から嫌われる」(塾関係者)というw

「英語が好きと言いながら、センター試験で80%未満の得点しか取れないとは、いったいどういうことなのか? 私の『好き』という言葉の認識が間違っているのか?」
そう嘆くのは、小さな個人塾を営んで20年になるMだ。
「私はね、好きなもの、好きなことは毎日やっても飽きないし、強制されなくても積極的に取り組むし、好きなことは上達したいし、相手があることなら(英語は言語だから、使用する相手を想定するものでしょう?)なおさら相手と意気投合したいと思うのですよ。スポーツやゲームも同じでしょう? 相手とできるだけ同じレベルの方が楽しいんですよ。」

Mが言うには、英語は特殊な科目なのだそうだ。
まず、英語はコミュニケーションツールであって、学問ではないという。
そして、レベルが上がるほど、英語を使用する際には日本語を忘れなくてはならなくなる。
つまり、究極、それまで培ってきた、日本人としての環境で生活していた回路とは別の回路を脳に作り上げることを求められる科目なのだ。

(引用 http://biz.cyber-u.ac.jp/blog/1482/ 『語学ができる人の脳と考え方』より)
脳ミソの中で言語をつかさどっているのは「言語中枢」と呼ばれる箇所です。そこには「日本語言語野」と「英語言語野」といわれる部分があり、英語が得意な人は、英語言語野だけを使って考えて理解し、話し、聞いたりしています。「英語を英語で考える力」は、この英語言語野の働きによるもので、英語が得意な人ほど英語言語野が高性能になっています。
(引用終わり)

これを、数学と比べてみる。
(引用 https://www.president.co.jp/family/blog/online/347/ 『プレジデントオンライン』より)
算数の問題を解く際には、脳の複数の箇所を使います。(中略)
現在の研究では、算数や数学のいろいろな問題を解くときに、脳のどの箇所を使っている、と特定はされていません
(引用終わり)

数学以外では、たとえば国語や歴史は日本語を使用するため、日本語言語野を通じて処理されるので、英語とはまた別の回路を使っていると考えてかまわないだろう。
すると、英語の特殊性が浮き彫りになる。

脳に、今までなかった新しい回路を作り上げる・・・
これを楽しいと思える人が、いったいどれくらいいるのだろうか?
普通は、とくに初期は、とてもつらく苦しいのではないのだろうか?
でも半数弱(40%も!)が英語を好きなのである。


では、英語言語野を新たに脳内に作り出すためには、いったいどうすればいいのだろう?
前出のMによれば、

「毎日」

まずはそれだという。

「英語の勉強法に関しては、巷間本当にいろいろな、無数の方法がささやかれていますよね。でも、それらの最大公約数を拾うと、それは『毎日英語を勉強する』なんです。もちろん方法によってコスパも違うだろうし、時期の問題もある。だって、中学生に大学入試問題を押し付けても効果は薄いでしょう? 何を練習するのかにはクリティカルな時期があると思います。たとえば、中学生は何度も音読したり、例文を覚えて口頭で英作文する訓練が望ましいですし、高校生ならとにかく『正しい』英語を使い『正しく』読み取る訓練が絶対に必要です。英語はコミュニケーションツールなので、相手がある。間違った英語を使って平気でいるのは、相手にとって非常に失礼だと思うんですね。でもね、そのいずれを訓練するにせよ、英語は毎日やらなければ上達しない。いや、脳に新しい回路は作れない。そして、本当に好きでなくては毎日なんてできないし、逆に好きなら誰が制止してもやめないでしょう。」

・・・Mに熱がこもる。

「では毎日やるためには何が必要か。それはエネルギーに他なりません。英語が好きなら、上達したい。上達を証明する明らかな方法は、試験です。英語ができます、でもセンターでは平均以下です、では誰が認めてくれるでしょう? 自己満足ならかまわない。けれど何度も言うように、英語は相手があっての科目です。相手が、他人が認めてくれて初めて自信を持てます。好きなら、それを証明しましょう? そのために、地味な努力もしましょう? 好きなことなら、超基礎的な練習を何度もするでしょう? 英語もそれと同じです。」

・・・ちなみに、Mの言う英語の「超基礎的な練習」とは何なのかを尋ねてみた。

「英語界では超有名な鳥飼玖美子氏は、著書で文法の大切さを挙げていますね。『危うし! 小学校英語』では早期英語教育に強い懸念を示されています。
『外交官の「うな重方式」英語勉強法』の著者、多賀敏行さんも文法の大切さを説かれています。
『瞬間英作文』で有名な森沢洋介氏は、中学レベルからの英作文の積み上げを説いていますが、ホームページでは大学受験時の偏差値は大切だ、とおっしゃっています。
こう考えると、やっぱりしっかりとした基礎、その基礎とは中学生の英語から“大学受験に出る程度”の“基礎的な”文法や長文ではないでしょうか。
相手の言うことを間違えずに受け取ること。自分の意思や事実を間違えずに、失礼にならずに伝えること。それは中学英語から大学受験英語をきちんと毎日勉強すれば、かなり養えると思います。
私よりはるかに高い雲の上のレベルの人達が口を揃えて言っているのですから、まちがいないのではないでしょうか。
といっても、私もまだまだ間違えてばかりなんですが・・・」

・・・エネルギーの話は?




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2018年9月4日火曜日

勉強の根底にあるもの➀


勉強の根底にあるもの。
それは早期教育でも規則正しい生活でもなく、ただただ、内に秘めたエネルギーにあると思われる。

シリーズ「勉強の根底にあるもの」

第一弾の今回は、エネルギーの塊だったある少年の話を、んHK風に紹介します。


数年前、わりとどこにでもある県立高校から、慶應商学部と国際基督教大学に現役合格した男子がいた。
その子は塾に来るとき、階段を必ず駆け足で登ってきた。
授業の準備も早い。
とにかく1秒でも無駄にしないという姿勢が、日常生活からしてあった。
しゃべるのも早い。
1つの疑問が解決すると、矢継ぎ早に次の疑問を口にする。
人の真意を読み取ろうとするかのように、人の目をのぞき込んで教えを乞う。

かなり激しい運動部に、高3の秋まで在籍していた。
普通なら、それだけで勉強をしない理由になりそうだ。
しかし彼は、英語の勉強だけはしっかりやっていた。
名著「英文解釈教室」を読んでいたのだ。

大学受験において、英語のウエイトは非常に高いのは周知のとおりである。
英語さえ「超」大学受験レベルになっていれば、
慶應湘南藤沢(英語+小論文)
慶應商(英語+地歴+論文試験)
国際基督教(英語+現代文)
など、ちょっとプラスするだけで名だたる大学が受験できる。
彼は、これらの大学の受験にすべてを賭けていた。
だめなら浪人する、と。
実際、慶應に受かって立教は落ちた。

先日、彼とアシスタント講師2人を誘って飯を食いに行った。
将来は独立出来たらと言う彼と、同じく独立したいというアシスタントを引き合わせたかったからだ。
しかしまあ、ウチのアシスタントはまだ大学1年生。
一方の彼は、留学帰りの大学4年生。
・・・格が違いすぎて話にならなかった。
それでもアシスタントたちはものすごい感銘を受けたらしく、
「スゲー、あの人すげー」
と少ないボキャブラリーを披露していたという。

私的には、アシスタントたちは彼のエネルギーに打たれたのだと思っている。
内内にエネルギーを秘めた人間は、話せばそうだとわかるものだ。
そしてその逆の人も、話せばそうだとわかる。
そういうものじゃないでしょうか。

では、彼は人より多くのエネルギーを持って生まれたのか。
いや、生まれたときの生命エネルギーは、みんな似たようなものだろう(個人の感想です)。
それを、多くは環境が潰してしまう(個人の感想です)。
たまたま、多くの偶然のおかげで生まれたときの生命エネルギーを保ったまま成長した彼は、人の倍運動し英語のみ人の倍勉強して、たまたま慶應と国際基督教を目指した。

話はいきなり変わるが、環境のせいでたまたま生まれたときのエネルギーを失っていたとしても、環境や考え方を変えて少し時間をかければ、エネルギーは必ず取り戻せる(個人の感想です)。
内側から溢れ出るエネルギーさえあれば、少々の壁くらい軽く吹っ飛ばせる気がしないかい?

勉強時間がどうとか、やる気が・・・とか悩む前に、今自分の中にどれだけエネルギーがあるかどうか、どうしたらエネルギーを充填できるか、ちょっと見方を変えて考えてみたらどうかな?
自分のエネルギーを削ぐような周りの環境を、ひとつひとつ潰してみてはどうだろう。



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