2013年7月9日火曜日

大学入試の真実シリーズ① AO・推薦は受かりやすいか その5

まとめ

ここまで見てきた結論=AO推薦のほうが“入りやすいぞ!”と言える難関大学 


筑波・早稲田・慶應・上智

これらの大学は、一般的にAO推薦のほうが“入りやすい”と言える。
(早稲田・慶應は、AO推薦を実施している学部学科が限られるが)

一般に、AO推薦を狙うなら、かなり早い段階から意識し、さらに部活動などで優秀な成績を修めているととても有利だ。
逆に、高校生活を思いっきり謳歌した人は、AO推薦が有利だのうらやましいだの言わず、すっぱり切り替えて一般入試、と思うだろう。
と、ここまでは普通の高校生も理解している。

では仮に、筑波か早稲田か慶應か上智のAO推薦を狙うことにしよう。
次に、さてどのような対策をするかを考える。
まずは評定平均のために高1から真面目に勉強。
次に、たいてい小論文が課されるのだから、高2くらいからその対策。
それから個別に調べて、学科試験(英語など)の対策。
最後に面接の対策。

して、めでたく合格!! ならよいのだが、もし落ちたらどうするのか?
そう、当然、一般受験となるのだ。
小論文に費やした時間、
学校や塾で面接の対策をする時間、
学科に関する本を読み、予備知識を覚える時間、
大学案内を頭に叩き込む時間、
願書やエントリーシートを書く時間、
そして、受験する時間。
1日受験するだけで、相当な時間を失うことになる。
どうか想像してもらいたい。
そしてこのブログの記事“大学合格体験記”を読んでいただきたい。
合格者はたいへんな労力を払っている。
ダメもとで受験するだけなら失う時間は少ないが、でもその場合は合格可能性がかなり低くなり、やはり受験する時間をロスする。
本気で対策すれば対策するほど合格可能性は高まるが(大学受験は1点集中突破がよい。これもブログの合格体験記にある)、落ちて一般受験になるかもしれない。
と、このように、よくよく考えて挑まないとならない。
どちらにするかは、最後は自分が決めることだ。

一方の一般受験のメリットは、たくさん受験できることだ。
AO推薦はふつう1つ、多くても3つくらいしか受験できないが、一般なら10校以上も受験できる。
その10校は科目をかぶせる(受験可能な科目の範囲内で受ける)ことができるので、準備に対するロスが少ない。
AO推薦で怖いのは、ダメだったときのロスなのだ。
実は、“受験機会が1回増えるから試しに受けてみる”という考えが最も怖いのだ。
試しに、では合格可能性はとても低いし、受験した分だけ一般受験に対する準備も減る。
だから、AO推薦を受けるなら、これ以上は無理、くらいの対策をして、さらに一般受験になってもいいよう心構えをしておくのが正しい姿なのだ。

AO推薦の受験生には、しかし万全の対策をしてこない生徒がけっこういる。
自分で“面接は得意だ”なんて思っていてもそれは主観に過ぎず、判定する側から見れば勘違い野郎であることも多々ある。
しかしだからこそ、逆に万全の対策をすればかなり合格しやすくなる。
さらに、AO推薦には、極端に出来るやつが、意外に少ない。
次の表は主観がかなり入っているが、おおむねこんな感じである。 

 
 
校内成績上位
校内成績中位
校内成績下位
卒業生のほとんどが旧帝・早慶・医学部に行くような高校(最上位校)
指定校推薦
あまり使わない
あまり使わない
あまり使わない
AO・自己推薦
使う場合がある
使う場合がある
使う場合がある
学区トップの公立高校、上位私立高校
指定校推薦
よく使う
使う場合がある
使う場合がある
AO・自己推薦
使う場合がある
使う場合がある
使う場合がある
学区2番手の公立高校(準トップ校)、中位私立高校
指定校推薦
よく使う
よく使う
使う場合がある
AO・自己推薦
よく使う
よく使う
使う場合がある
上記以外の高校
指定校推薦
よく使う
よく使う
よく使う
AO・自己推薦
よく使う
よく使う
よく使う

表を見てわかるように、AO推薦には、最上位の生徒はあまりいないのである。
上位層は学力に自信があるし、AO推薦がほとんどない国公立を第1志望にしている場合も多く、そうでなくても、わざわざ一般受験とは別の対策をするのは不利だと考える生徒が多いのだ。
たから上位校でない生徒でも、きっちりと対策をすれば、AO推薦で難関大に合格できるかもしれないのだ。


前にも書いたが、大学受験はバクチでなくてはならない。
バクチを打つからには、敵を知り、己を知り、これ以上できないというくらい努力して、そして勝たなければならない。
負けても笑っていられるなら、それはバクチではない。ゲームである。
大学受験がゲームであるはずはない。いや、ゲームにしてはいけない。
一般受験ならば数が受けられるし、AO推薦と異なりどの大学の学部学科も実施しているし、受験資格にも制限がない。
しかし現実に、トップ校以外の生徒が早慶上智や筑波に一般受験で合格するのは、とってもたいへんなことなのだ。
3の始めに想像した受験生活よりも、実際ははるかにきつい。
途中で志望校変更したり、挫折したりが当たり前の世界なのだ。
そして合格可能性は、低い。
でも、AO推薦に集中すれば、これまで述べたように、早慶上智に合格できる可能性が高まるのだ。
もちろん、小論や面接の得手不得手、高校時代の実績や成績にもよる。
しかし、一般受験より合格可能性が高いのであれば、決心するのも手ではないのか。
先ほど「もし落ちたらどうのこうの」と言ったが、受験は バクチなのだ。
落ちたら潔く一般受験の準備。だめなら浪人。それでいいではないか。
その覚悟すらないから、受けても受けても受からなかったりするのではないかと思っている。

結局、AOにせよ一般にせよ、目標に一途に、嘘偽りのない努力をした者が何かを得るに違いない。
AO推薦合格者にも一般受験合格者にも“まぐれ”は含まれているから、楽々合格したみたいな話も耳にするだろう。
しかし、受験にまぐれは期待してはいけない。
受験はバクチである。
勝ちに向かって真剣に、すべてを賭けて臨んでほしい。
その結果の価値に、AO推薦と一般受験の区別はないはずだから。


最後に、GMARCHの一般受験・AO推薦受験の倍率比較を掲載しておく。
個別に書く時間がなくなってしまい申し訳ないが、ここまで読んでくださった読者の方なら、数字の意味が理解でき、不明な箇所はご自分で調べられると思う。

明治






入試
募集
志願
受験
合格
追加
競争率
方法
人数
者数
者数
者数
内数
2012年
2011年
一般入試
3361
58485
54277
10743
5.1
5.1
公募特別
25
80
 
32
2.5
 
自己推薦
36
188
 
35
5.4
 
AO合計
53
89
 
39
2.3
 








立教






入試
募集
志願
受験
合格
追加
競争率
方法
人数
者数
者数
者数
内数
2012年
2011年
一般入試合計
2905
69452
67497
13350
5.1
5.2
自由選抜
219
798
798
200
4
 








中央






入試
募集
志願
受験
合格
追加
競争率
方法
人数
者数
者数
者数
内数
2012年
2011年
一般入試合計
3694
84940
 
16821
5
 
公募推薦
10
27
 
10
2.7
 
スポーツ推薦
196
218
 
197
1.1
 
自己推薦
89
314
 
137
2.3
 

法政






入試
募集
志願
受験
合格
追加
競争率
方法
人数
者数
者数
者数
内数
2012年
2011年
一般入試合計
4369
85129
81476
15890
5.1
5.5
スポーツ推薦
 
219
219
218
1
 
自己推薦
135
481
481
175
2.7
3.4
自己推薦1月
6
26
26
11
2.4
 
自己推薦3月
4
28
24
9
2.7
1.3
分野優秀者
10
31
31
12
2.6
4
商業高校推薦
 
10
10
10
1
 
自治体推薦
 
7
7
7
1
 
トップアスリート
若干名
2
2
 
 
1








青山






入試
募集
志願
受験
合格
追加
競争率
方法
人数
者数
者数
者数
内数
2012年
2011年
一般入試合計
2598
55692
51860
9964
222
5.2
5.6
公募合計
 
337
337
152
2.2
 
基督者推薦
 
11
11
10
1.1
 
スポーツ推薦
67
161
161
78
2.1
 
スポーツ強化
22
25
25
25
1
 
自己推薦
43
140
140
39
3.6
 
基督教同盟校
 
42
42
38
1.1
 








学習院






入試
募集
志願
受験
合格
追加
競争率
方法
人数
者数
者数
者数
内数
2012年
2011年
一般入試
 
13214
12762
3600
3.5
3.5
公募推薦
若干名
144
140
72
1.9
2.2
自己推薦特別
若干名
14
14
7
2
2.6

(旺文社パスナビより 一部抜粋)





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