2012年10月26日金曜日

勉強法の常識を疑うその2~英語の常識と真実1


(常識)英語力をつける

(真実)英語の偏差値を目標まで上げる

皆様は英語がお好きだろうか。
ちなみに私は、英語が好きではない。
日本語は読んでいて共感できるし、文章や言葉を味わうことができるが、英語ではあまりできないからだ。
要は日本語のほうがわかりやすいからだ。当たり前か。
中高生のとき、よく英語が好きな先生がいた。
英語の教師になるくらいだから英語が好きなのだろうが、英語が好きではない私は、
「余談はいいから技術を教えてくれよ」と思っていた。
ではなぜ英語を勉強し、仮にも教えられるくらいまでなったかといえば、受験に必要だったから、ただそれだけである。
多少でも英語ができるようになり、便利だとは思うこともある。
しかしそれでも、私にとって英語は学問ではなく、ただのコミュニケーションツールにすぎない。
海外旅行ができて英語のHPが読めればよいと思っている。
この年で言葉の通じない国へ旅行するのはいやだ。


さて、ヨタはこのくらいにして、大学受験では、よく「英語力をつける」「英語力を高める」「真の英語力」などと言われている。
たしかに、英語力なるものがあるのなら、あって困るものではない。
「英語力」と言われれば、聞こえはいいかもしれない。
では、私の慣わしとし、まず「英語力」の定義をするであります。

英語力とは、読解・表現できる能力が英語ネイティブに近いほど高い、と定義しよう。
この定義は間違っていないと思う。
要は、英検やTOEICで高いスコアを示すことができれば英語力が高いことになる。

で、センター試験と英検2級が仮に同レベルだとする。
すると、英検2級合格はセンターで60%以上取るのと同義だ。
さらに、で、センター6割や英検2級合格だと、大学受験での偏差値は50だ。
経験者ならお分かりかと思うが、英検2級で英語ネイティブとコミュニケーションが取れるかと問われれば、NOである。
センター6割や英検2級程度では、「英語力」がある(高い)とは言いがたいのである。
しかし、偏差値50までの大学なら対応できてしまう。
つまり、偏差値50程度の大学なら、「英語力」をつけるまでに到らなくてもよいのだ。

しかしやはり、上位大学で要求される英語の試験に限れば、ネイティブ感覚が必要である。
これも経験者なら納得してくれるはずである。
センターや英検2級をはるかに凌ぐ分量、語彙が要求されるため、いちいち日本語を解して(日本語訳をしながら)読み進めると時間が足らない。
英文を読んで、「英語ネイティブはこういうことを言いたいのだな」と理解できないと、正確に意味がわからない文が出てくる。
英作文や整序問題で、英語としてわかっていないと正解できない問題が出るので、英語を日本語に当てはめよう、日本語を英語に当てはめようという姿勢では合格点が取れない。

このように考えると、まず、目標とする偏差値によって英語の勉強の方法が異なることになる。
おおむね偏差値が55を超える大学では「英語力」を意識しなければならず、それ以下の大学には英語ネイティブ感覚すなわち英語力まで身につける必要はない。
目標偏差値によって英語の学習法が異なることは旧勉強法の真実ブログでもお伝えしているが、とても大切なことなので強調させていただく。

次に大切な点は、受験までの時間である。
何度でもいつでも受けられるTOEICなどと異なり、受験には試験までのタイムリミットがある。
だから誤解を承知で申し上げるが、趣味で英語を勉強している人や、長い時間をかけて英語力をつけた人、留学した人などの意見を聞くと、受験生は痛い目を見ることがある。
あと1年、あと半年で英語の偏差値65にしなければならないというような受験生は、ゆっくりこつこつと英語の勉強をしている時間はないのである。
まして目標偏差値が55以下ならば、英語力を磨くのは遠回りだ。
受験生は、最短の時間で目標とする偏差値に達しなければならないのだ。
受験生は、今の自分の偏差値、考え方、目標に応じて、失敗のない勉強法をとらなければならない。

ここでまとめよう。
偏差値55以下でいいのであれば、一切迷わずに単語・熟語を必死で覚えなさい。
ターゲット単語1900・熟語1000を完全暗記できれば、まず偏差値50は取れるはずだ。
余った時間は地歴公民や現代文古文、数学や理科に費やしなさい。
それ以上の大学を目指すのであれば、単語熟語を完全暗記“しながら”、文型と品詞を理解した後、長文を読む訓練をしなさい。試験のほとんどは長文なのだから。
長文の訓練は、故伊藤和夫氏がスタンダードを確立してくれたので、どこで何を解いてもほとんど差がない。伊藤和夫氏の著書が最短距離だとは思うが。
そしてある程度長文が読めるようになったら過去問を解いたり、細かい文法を覚えるのだ。
これが最短の方法である。
ただ、偏差値55以上を目指すのなら、暗記など自力でできて当然だ。
覚えられない、というのであれば志望校を下げなければならない。

話は最初に戻るが、「英語力」がある、すなわち英語ネイティブとコミュニケーションが取れる、というレベルは、少なくとも英検なら準1級、TOEICなら700が必要だろう。
これも経験者ならお分かりだと思う。
そして、早慶では準1級レベルの語句が平気で出題される。
しかしだからといって、早慶を受験するのに英検準1級の勉強をすればよいのかというと、そうではない。
英検2級合格から準1級合格までの道のりは、ネットで調べたり合格者の話を聞いたりすればお分かりいただけるはずだが、かなり遠い。
2級にぎりぎり受かったレベルなら少なくとも1年。
2級やセンターで90%以上取れた人でも半年くらいかかるのが普通だ。
受験にはタイムリミットがあるし他の科目もあるので、もっと効率のよい勉強をしなければならない。
誤解や失礼を承知で言うが、長い時間をかけて英語を得意にした人や、英語が大好きな人の意見ばかり聞いてはいけない。
予備校講師など、大学受験の専門家の意見だけを聞いてほしい。


常識と真実シリーズは次回に続きます。






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