高3たちが旅立ちました。
私たち塾にとってはもう何度目の春・・・ですが、一人一人と過ごした時間は一生に一度きりの出来事です。
悔いのない受験をしてきてほしいと願うばかりです。
さて、新シリーズ「今日の一文」です。
過去問や問題集を解いていて、お!? と思ったものをご紹介します。
大学入試の英語・現代文・小論文では、著者や大学の先生の考え方を知ることがとても有効です。
入試問題は、大学が受験生に向けたメッセージでもあるのです。
今日の一文は、慶應義塾大学文学部2022年英語より。
Today's cult of convenience fails to
acknowledge that difficulty is a constitutive feature of human experience.
(今日の便利カルトのせいで、困難さが人の経験の重要な構成要素であることを認識することができません。)
筆者は、便利さの功績、便利さのおかげで昔は貴族しか楽しめなかった自由や教養が万人のものになったことを述べたうえで、「不便さ」の有用性を語ります。
They(=Inconvenient activities) expose us to the risk of frustration and failure, but they also can teach us something about the world and our place in it.
(不便な活動は私たちをイライラや失敗のリスクにさらしますが、同時に、この世界のこと、そしてこの世界での私たちの立ち位置について教えてくれます。)
DIYなど自らすすんで苦労を買う趣味や、スポーツ、勉強・・・。
ツールがどれだけ便利になったとしても、上達には経験が必要で、絶対に時間がかかる、つまり「不便なこと」が存在します。
勉強だってスポーツだって、たとえできなくても、生きていくだけなら何も困りません。
ただ、やったからこそ見えてくる世界があるんですね。
私はよく、受験の終わった受験生に、「勉強してよかったか?」と聞きます。
誰一人として、「勉強なんかするんじゃなかった」という子はいません。
繰り返しますが、勉強なんかしなくたって、今の日本、生きていくのに困りません。
大学の偏差値なんて、生涯賃金には微々たる影響しかありません。
それでもなお、不便さを選んだ人には、その人だけに見えてくる世界があるのですね。
ちょっとお花畑みたいな話になってしまいましたが、ま、たまには、ね。
あ、「一文」じゃなくて「二文」になってた・・・
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