2015年10月13日火曜日

特色検査について②

特色検査について、続きです。
今日は、実際に問題を解いてみて、中3の目線から難易度などを考えてみます。


特色検査の内容には各高校で特色があるが、“小論文型”の緑ヶ丘高校を除けば、“思考型”と“知識型”に大別できます。
このあたりの分類は大手塾さんのサイトが丁寧に解説してくれているので、そちらをご覧ください。
気になるのは、
・どの程度のレベルなのか
・何点くらい取らなくてはならないのか
・どのように取り組めばよいのか
3点ではないでしょうか。
もちろん、高校によってレベルが異なるのでなんともいえない。
私立文系だが、河合塾偏差値が60を超える大学受験生が湘南高校の特色検査を解いたら、なんと20点(100点満点として)だったのだ! MARCHクラスに合格するだろう高3が、20点しか取れないのだ!
柏陽はここまで難しくはないが、それでもこのことを考えると、向き・不向きを考慮し、特別な対策をしなければ散々な結果になることもあるということをご理解ください。
そのようなわけで、柏陽の特色検査の問題を解きながら、実際に考えてみましょう!

例として、平成27年度の柏陽高校特色検査問題を取り上げます。
↓問題をご覧になりたい方はこちらからどうぞ↓

問1は折り紙の問題。
公立中高一貫校入試や国大附属中入試ではおなじみの問題。要は小学生でも解けるということだ。
この問題を克服できないとなると、高得点はかなり厳しいのではないか。
問題慣れをしたい場合は、公立中高一貫校入試や国大附属中入試問題から抜粋して解くとよいだろう。
具体的には、せっかく図が書いてあるのだから、図にいちいち書きこみながら考えるとよい。頭の中だけで解くと、思わぬ失点をするかもしれない。
いや、はっきり言おう。ここで失点をするようなら、柏陽はあきらめたほうがいい。
易しい問題をなめちゃいけません。
(ア)と(イ)を合わせて2分以内で、絶対に正解すべき問題である。

問2は上位蜃気楼について具体的に考えさせる問題。
パッと見は天気図の問題で、天気図についての基礎的な知識も必要だが、説明文や図・データの正確な読み取りや、論理的思考も必要となる良問。
(ア)は光の屈折の問題。資料1に図が載っているし、屈折の原則そのままだから、これ
が答えられなければアウト。
(イ)は図と資料と天気図の知識から、論理的に正誤を読み取る問題。決して難しくない
が、論理なので1問程度は落とす可能性が高いと思われる。
 ①観測地点で感じる風は弱い。
  →天気図より、等圧線の間隔が広いから○
②観測地点での風向きは、南からの風である。
  →説明文に「海風」とあるので、海から陸への風。富山湾の地形(資料Ⅱ)と合わせて考えると、少なくとも南風ではない。×
③早朝から気温が高く、一日を通しての気温が変わらない。
  →天気図からは、富山湾が温暖前線の勢力下にあるのか、高気圧の勢力下にあるのか
がわかりにくいが、説明文には「日中の陸地で温められた空気が、海面にある冷た
い空気の上に、海風によって流れ込み」とあることから、晴れた日であると考えら
れる。晴れた日は1日での気温の変動が大きい。論理の問題。×
④観測される時間は、早朝よりも昼ごろから夕方にかけてである。
 →説明文では「日中の陸地で温められた空気」とあるので、早朝に温められていると
は考えられない。論理の問題。○
(ウ)はこれまでの思考を踏まえ、上位蜃気楼が観測されやすい条件を25字以上35字以
内で説明する問題。満点は難しいと思われるので、半分取れればよしとしよう。
「季節的な特徴を踏まえること」「~こと。で終わること」「等圧線という語を用い
ること」という条件に加え、見落としがちなのが「天気図」という条件だ。
つまり、気象条件などを理屈で説明するのではなく、天気図の説明をしなければ点
が絶対条件なのだ。この条件を落とせば、せっかく書いても0点の可能性がある。
「季節的な特徴」については、季節が春ということは資料から明白なのだが、春の
天気図の特徴である「移動性高気圧」という語句が思い出せるかどうか。もし思い
出せなければ、「太平洋に高気圧がある状態で」とするしかないが、それで得点に
なるかどうかはわからない。
「等圧線」については、「等圧線の間隔が広い」と書かなくてはならないだろう。
「風が弱い」としてしまうと、天気図の説明としては疑問である。
よって、記述でもあるし、少々失点するだろう問題だった。

問3は社会の問題。
社会とはいえ、「新橋」や「山手線」を答えさせるあたり、一般常識が必要な問題。
しかしそれにしても、神奈川県の入試問題で東京の地理を問うとは・・・もし知らなければ得点できない。
(ア)は1865年当時の日本の最大の輸出品を問う問題。選択問題であり、紛らわしい選
択肢もないので、絶対に正解しなくてはならない問題。「生糸」
(イ)は地図から「新橋」を書かせる問題。日本最初の鉄道がどこからどこまでだった
か、たしかに教科書に載っているけどね。ドキッとした受験生もいたのでは。
(ウ)は地図から「山手線」を選択させる問題。選択肢に「東海道線」もあるのが憎い。
   そこは資料Ⅱと資料Ⅲを読み落とさないこと。説明にも「赤羽―品川間」と書いて
あるし、地図も山手線の路線図が載っている。
   それにしても、「山手線」の路線を知らないと正解できないんだが。
(エ)品川線ができた理由を10字以上20字以内で説明する問題。「輸出」を用いるのが
条件。
   模範解答は「輸出する生糸を横浜の港に運ぶため。」だが、資料の地図に「至前
橋」とか書いてある。ここから、前橋→群馬→富岡製糸場なんて連想すると、「北
関東で生産された生糸を輸出するために横浜に運ぶため」なんて書きたくなって20
字におさまらない。ここはぐっと我慢して、最低限必要な情報だけを書かなければ
ならないだろう。
それにしても、(ア)の解答である「生糸」をさらに記述で書かせるとは面妖な。
模範解答に「生糸」という語句が入っているが、「生糸」はキーワード(満点を取る
のに絶対に必要な語句)ではないのかもしれない。
たとえば、「北関東と、輸出港である横浜を結ぶため。」なんていう解答はどうだろ
う。結構スマートだと思うのだが。
 
問4は国語の問題・・・おっと、かなり長くなってしまいました。
この先は国語・英語と長文が続くので、ちょっと一休みしましょう。
国語・英語ともレベルは高いですよ~

それでは、つづきます。
解説などに間違いがありましたら、どうかご指摘ください。


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