2018年11月11日日曜日

勉強の根底にあるもの⑤


ここまで、記憶力に個人差はあるのか?について意見を申し上げてきました。

そして前回、「記憶力にはたいした個人差はない」と書いてきましたが、実は短期記憶にも「7±2」という差がるんですね。
これは、短期記憶力が「5」の人も「9」の人もいることを暗に示しており、「5」と「9」では実に1.8倍もの差があります。
これは単位時間における差ですから、たとえば30分間勉強したときには、1分で5つ覚えられる人と9こ覚えられる人とでは、「150個」と「270個」という差になります。
「7±2」と聞くと差は小さく見えますが、実際に考えてみると倍近く違うのです。
ですから、1週間、1か月、1年、3年と経る間に、知識量の差は開いていきます。
私は、このことこそが、「記憶力の差」だと思っています。

こう考えると、記憶力には差があります。たしかに差はあります。
しかし、その差は、「繰り返し」によって埋めることが可能です。

記憶は 印象の強さ×繰り返しの回数 で決まる!

のです。

このお話の一番最初に、「全国高校生クイズ選手権」歴代優勝校のテロップを流しましたね。
偏差値のたっかい高い高校の中に、そうでもない高校があるのに気づかれた方はいらっしゃいませんか?
もう一度お見せしましょう。

(大画面テロップ)
1    山形県立山形南高校64
2    宮城県第一女子高校68
3    東京都立江戸川高校57
4    岐阜県立加納高校66
5    宮城県仙台第二高校71
6    私立東大寺学園高校77
7    山形県立山形東高校68
8    静岡県立静岡高校71
9    栃木県立宇都宮高校71
10  北海道札幌西高校71
11  福井県立高志高校65
12  茨城県立水戸第一高校71
13  私立ラ・サール高校(鹿児島)76
14  栃木県立石橋高校65
15  鳥取県立米子東高校68
16  愛媛県立西条高校57
17  青森県立弘前高校68
18  国立筑波大学附属駒場高校(東京)78
19  北海道札幌南高校71
20  三重県立川越高校64
21  山口県立宇部高校67
22  北海道旭川東高校66
23  私立栄光学園高校(神奈川)72
24  岐阜県立岐阜高校71
25  埼玉県立浦和高校72
26  埼玉県立浦和高校72
27  私立ラ・サール高校(鹿児島)76
28  私立東海高校(愛知)75
29  私立東大寺学園高校(奈良)77
30  私立開成高校(東京)78
31  私立開成高校(東京)78
32  私立開成高校(東京)78
33  私立慶應義塾高校(神奈川)75
34  京都府立洛北高校61
35  埼玉県立浦和高校72
36  私立灘高校(兵庫)79
37  私立桜丘高校(三重)42

ね?
偏差値50台や40台の高校が、ちらほらいるでしょう?
高校野球で言えば、県大会の1回戦2回戦3回戦くらいのレベルの高校です。
これらの高校が、全国大会常連高に勝っているんですよ。
それって、記憶力が遺伝や才能だけではないことを示しているのではないでしょうか?
私が思うに、外れてたら失礼だと思うんですけど、どんなスポーツでも、県大会2回戦敗退くらいの高校が、全国ベスト8常連くらいの高校に勝つのは、まず不可能だと思うんです。
でも、記憶力ならそうではない。
全国レベルの高校に、ごく普通の高校が勝てるんです。

そのためには、努力が必要です。
そしてなにより、興味も必要です。
いろいろなことに興味を持ち、繰り返し覚える。
それは、勉強に他なりません
テストの点を取るだけの勉強には、興味が欠けていますから、印象が薄くなります。
すると繰り返し繰り返し覚えなくてはならず、いつか嫌になります。
でも興味があれば、繰り返しは少なくて済みます。

いろいろなことに興味を持つこと。
テストに出なくても。
そのことと偏差値が大いに関係があると、そして今は偏差値が低くても、興味と努力で偏差値の高い相手を倒せると、「全国高校生クイズ選手権」の結果は示しているのです。

ご清聴ありがとうございました。

おわり


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