2015年9月8日火曜日

卒業生特集③ 偏差値50の高校から



養老孟司の「バカの壁」が流行った。
この本のとおり、変化を受け入れたくない人が存在することは、塾をやっていればよーくわかる。
彼らは変化に富んだ将来よりも、安定して変化のない将来を好むようだ。
それは“今”の世界が心地よく、そこから出たくないことの現れでもあるだろう。
脳の中に「壁」がある人は、新しい知識や考え方を無意識に拒む。または言われたり読んだりしたことを、無意識に、自分の都合のいいように変換してしまう傾向がある。
つまり、自分の知らない世界や、自分の“常識”と異なる世界をシャットアウトしてしまうのだ。
そういう人たちは、“変化”することが嫌いなのだろう。
現状に満足し、つらい努力をしてまで現状を変えたくない、と無意識に思っているか。
または、周囲から抑圧されていたりして、変化するための努力をあきらめてしまっている場合もあるようだ。

そのように変化のない将来を好む人が、自分の所属する高校の偏差値より上の大学に入ろうと思う場合、矛盾が生じてしまう。
だって、偏差値を上げるには変化が必要なのに、変化を好まない、もしくは無意識で拒むのだもの。
とくに多いのは、「安定した職業に就きたいから」という「安定ガ」と、
「いい大学に入らないと就職に困る」という「就職ガー」である。
「安定ガー」や「就職ガー」たちは、変化を好まないからこそ「安定ガー」「就職ガー」なのである。
すると、「安定ガー」「就職ガー」という動機では、変われない。すなわち合格できない。
なんという矛盾だろう!

このことは、実は偏差値50の高校生だけに限らない。
進学校にも言えることで、たとえトップ校にいても、成長しなければ受験は失敗する。
しかし、勉強があまり得意ではない偏差値50の高校の生徒であるならば、なおのこと「変化」しなければステップアップできないのである。

変化するためには、受験の動機は不純なほうがいい。
「モテたいから」「格好いいから」「テンション上がるから」「遊びたいから」などで結構。
人間、原始的な欲求ほど強いのだし、受験は気力と体力だから、気力がわき上がる動機がいい。
本気で将来のことを考えている人は別にして、周りからの言われただけの「安定ガー」や「就職ガー」で、強い気力がわくか? 無理だろ?
将来なんか、高3で無理に決めなくていい。
大学入って、遊びたいんだろ? モテたいんだろ?
正直になろうよ。
大学のキャンパスを歩いている自分の姿を想像しよう。
そしてその姿に自分でシビレルことで、「勉強したくない」気持ちに打ち勝ち、変化し、現状を打破するのだ。
そこに、“変化”の源がある。
そしてそのことこそ、就職やその後の人生での強みとなる。


つづく


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