2013年10月10日木曜日

Wという講師について

”勉強法の真実ブログ”2009年05月30日の記事より・・・
記事の移転を順次行っております。



昨日、Wという講師が去った。
年度途中であるが、高校教師になるというので仕方がない。

Wはもう30歳になる。
中・高に加え小学校の教員免許を取得するために大学に通いながら、ウチの塾に尽くしてくれた貴重な人材だった。
生徒にもご父兄にも信頼は厚く、任された科目にはどれも相当な努力を払っていた。
後輩の講師にも優しく注意を払い、ウチの塾になじむように率先して声をかけてくれた。
彼にとって、ウチの塾は単なるバイト先ではなかったのかもしれない。
そんなわけで、講師の中ではもちろん最高時給。
彼に育成を任せた新人講師については、新人講師にではなく彼に文句を言っていた。
それをよく素直に聞いてくれた。
思えばひどい仕打ちをしたものである。

私が彼を最も尊敬していることは、気分がマイナスになっているときでも決してそれを表さなかったことだ。
「あの時はかなりショックを受けていたんですよー」と後から聞いて、そうなのか、と知ったこともあった。
大人なんだから当然といえば当然であるが、最近なかなかできる人がいないように思う。
疲れていれば疲れを表に出すし、プライベートで何かあれば仕事ぶりに出る人が多い。
しかし男子たるもの、昔から「顔で笑って、心で泣いて」と相場が決まっている。
・・・私も彼を見習わなくてはならない。

そして昨日、講師として一番大切なことを思い出させてくれた。
彼の最終出勤日ということを知って、今まで担当した生徒が多数押しかけ、保護者の方までいらしてくれて、彼に別れを告げていた。
ウチの塾では講師研修でも、「上を見て仕事をするな。生徒を見て仕事しろ。上を見て仕事をしても評価しない。」と常々言っている。
彼は見事に、それを実践していたらしい。
講師として一番大切なことは何か。
彼は昨日、それを思い出させてくれた。

貧乏な塾なので餞別もしてやれなくて、大変申し訳なく思っている。
どうやら講師同士で何かをやるみたいなので、事情が許せばなにかしたい。

この場を借りて申し上げる。
Wよ、君はきっと教師に向いている。
君は勉強だけを教える人間ではない。
勉強なんかどうだっていいから、社会人として人間として最も大切だと君が思っていること、それを若者に伝えてくれ。
ウチの塾でのクソ努力が、新しい学校で役に立つことを願っている。


長い間、本当にお疲れ様でした。
たまにはメールくれよな。




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