2017年7月7日金曜日

数学について その4



それでは、早速ですが中3の因数分解の問題を見てみましょう。

次の式を因数分解しなさい。
-4x-32

上の問題は、因数分解でも易しい部類です。
これを解くためには、かけて-32、足して-4になる数字の組み合わせを探します。
答えは-8と4ですね。
よって答えは、
(X-8)(X+4)
となります。
これは易しい部類とはいえ、うっかり符号を逆にしたり、考え方を忘れていたりして、間違える子も少なからずいます。
また、8と4という数字の組み合わせを探すのに時間がかかりすぎる子もいたりして、どの子も最初から楽々できるわけではありません。
一方で、ほとんど訓練せずとも楽々、素早く解く子もいます。
この差は何なのか、少し考えてみて、「数学には何が必要なのか?」の第一歩としたいと思います。

上記の問題で最も大切なのは、32=4×8が瞬時に頭に浮かぶ能力です。
これは「逆引き九九」と私は勝手に呼んでいる考え方です。
例えば、「24」と出題者が言ったら、回答者は「ろくし、しろく、はっさん、さんぱ」と即答できるような能力です。
これは、できれば小2か小3でできてほしいところ。
無理であれば小学校高学年や中学生になってからでもよいのです。
学校では素因数分解(対象となる数を素数で割り続け、割る数をすべてかけ算の形にする方法)によって解く方法も教えてくれますが、この方法をいちいち使っていたら絶対に時間が足らなくなるように試験はできていますので、素因数分解を使った因数分解をすることは事実上、できません。
中3の春休みまでには「瞬時に」を目指しましょう。
「逆引き九九」が瞬時にできるかどうかは、将来数学を使えるかどうかの、一つの関門といえるでしょう。

数学の関門その1
「逆引き九九」



つづく



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2017年6月29日木曜日

数学について その3



前回で、大学受験で数学が「使える」レベルになるのは、全人口のうち10%強、8人から10人に一人である、とお話ししました。
中学のクラスが32人いたとすれば、その中でわずか3人か4人です。
もう、絶望的な数字ですね。
数学なんて、できないのが普通なんです!
苦手な人は数学なんて捨てちゃいましょう!
我が子に数学ができることを期待するのはやめましょう!

・・・しかし、どうしてもその中に入りたい、どうしても数学を使いたい、という場合はどうすればいいのでしょうか?
小学校低学年や入学前から鍛えればいいのか?
小学校高学年から? 中学から? 高校からでも頑張れば数学ができるようになるのか?
その答えは・・・私は以下のように考えています。

➀中2の計算
②中3の計算

です。
中2では指数の大きな文字式の四則(足し算、引き算、かけ算、割り算)混合問題と、等式の性質を使った等式変形、そして中学数学で最も計算ミスが多くなる連立方程式を扱います。
中3では、因数分解と平方根(四則)を扱います。
これらの単元は、どれひとつを欠いても高校数学はできないので、これらがスラスラ=計算ミスが1%未満で、プロが認める途中式で、プロと同じくらいのスピードでできれば、高校で数学を使うことができます。
え? 応用問題? いいえ、できなくていいです。
まず、何よりも、計算ができることが必要です。
これらを、大事なので繰り返しますが、

・計算ミスが1%未満で
・プロ(学校の先生や塾講師)が認める途中式で
・プロ(学校の先生や塾講師)と同じくらいのスピードで

できれば、高校数学で挫折する心配はほとんどありません。
逆に、これらのレベルに達していなければ、どんなに応用問題をがんばっても、大学受験で数学は使えなくなるでしょう。
だって、大学受験で計算ミスって、即!不合格! ですよ。
中学とは比べ物にならない、難しい大量の計算をして、それでもミスをしたらいけないんですよ。
中学レベルでバシバシ計算ミスをするのであれば、計算ミスをしないように改善するか、大学は私立文系を覚悟しましょう。
厳しいですが、だからこそ、全人口の1割しか高校数学ができないんです。

以前、旧勉強法の真実ブログだったかな?で、「中3の数学ができれば高1の数学ができる」と書きました。
これは、経験上だけではなく、カリキュラムとしても事実です。
具体例を挙げますと、
(中3)式の乗法・除法 →(高1)整式
(中3)因数分解   →(高1)因数分解
(中3)平方根    →(高1)実数・根号を含む式の計算
(中3)2次方程式  →(高1)2次方程式
(中3)2次関数   →(高1)2次関数
(中3)相似     →(高1)平面図形
(中3)円の性質   →(高1)平面図形
(中3)三平方の定理  →(高1)三角比
(中2)場合の数・確率 →(高1)場合の数・確率
(中1)資料の整理   →(高1)データと分析
(中1)空間図形     →(高1)空間図形
(中学に該当単元なし)→(高1)集合と命題、不等式
と、このようになります。
高1の数ⅠAで扱うほとんどの単元を中3で、一部を中1・中2で扱っていることがお分かりいただけたかと思います。

ウチの塾でも、中1までの数学がメタメタだったのに、中2から猛烈に追い上げて理系の難関大学に入ったり、文系でも数学で受験した子が何人もいます。
もちろん、九九の素養とか(こちらは後述します)チェックポイントはありますが、小学校の算数が人並みくらいできれば、中2からでも数学は鍛えられることを私たちは知っています。
それでは、ご高説はこれくらいにして、いよいよ具体的なお話をさせていただきたいと思います。


つづく



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2017年6月21日水曜日

数学について その2



前回、数学にも「ある程度の」才能が必要であるという点と、ある程度の才能が必要なのは数学に限らない、というお話をしました。
では、どの程度の才能が必要なのか? ということを、具体的に考えたいと思います。
前提として、センター試験の数Ⅱで7割、ニッコマの数学で9割取れることを目標にお話をいたしましょう。

学校(小中高)のカリキュラムは、本当によく組まれています。
こればかりは、さすが官僚は勉強がよくわかっているんだなあ、と敬服します。
文科省のカリキュラムに対しての批判をほとんど見ないのも納得です。
で、そのカリキュラムの何が優れているかというと、キチンとステップになっている点はもちろんのこと、適度な負荷がかかっているという点です。
ここで、「適度な負荷がかかっている」ということには、「子どもをふるいにかける」というシステムであることをまず、ご理解ください。
薄々感じている方は多くいらっしゃると思うのですが、こうはっきり言い切るとあまりいい気分はしないですね。
しかし、学年を追うごとに数学についていける子が少なくなり、ついに大学受験では、18歳人口120万人のうち、センター試験で数学を受験する生徒は40万人となります。
センター受験者には浪人生が20%含まれるので、乱暴な計算をすれば、現役で数学を受験する人は32万人くらい。(データが非常に少ないのでかなりアバウトです)
すると最終的に数学を使うのは、人口の26%! です。
非常に少ない数値ですが、私としては26%でも、「こんなにいるの?」と思ってしまいます。
個人的には10%くらいかと思っていました。
しかしそれもそのはず、センター平均を超えるのは26%の半数。
「数学ができる」というためにはセンター平均はほしい。
よって、センターで平均点以上取れる人は、全体の13%であると言えます。
これは塾屋である私の感覚とも近いため、非常に納得です。
しかもこれは数Ⅰでの話。数ⅡBになるともっと減るでしょう。
どこかで「中3で半数が数学でつまずく」というデータを見たことがありますが、高校ではさらに半数以上が数学から脱落しているということになります。
ですから、データからすれば数学ができないのが普通。向いていないと思ったら早いところあきらめるのが賢い・・・のか!?

とはいえ、あきらめきれないのが親心というものですし、中高生自身も、できれば数学を使って受験したいという希望を捨てきれないこともあるでしょう。
というわけで、次回より、どうしたら数学を捨てずに、あきらめずに済むか、というお話をさせていただきます。

つづく


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