2012年11月9日金曜日

勉強法の常識を疑うその4~英語の常識と真実3


(常識)英語には速読法がある
(真実)速読法があるとしたら、特殊能力である

昔テレビで、小学生くらいの子が、1冊の本をパラパラマンガのような勢いでページをめくり、1分もかからず内容を理解していた、というシーンを見た。
だから、もしかしたら速読法は存在するのかも知れず、その存在を完全否定することはできない。まあ、テレビの話だが。
ネットでも「速読」を売っているページもあることだし、なおさら存在を否定することはできない。

さて、皆さんは魔法や超能力を信じておいでか。
魔法や超能力を信じているなら当然、霊も信じていらっしゃるか。
私の独断と偏見では、
霊>超能力>魔法
の順でありえそうな気がしているが、どれも“存在する”とも“存在しない”とも証明されていないようなので、やはり速読法と同様、“存在するかどうかわからない”が正しいのだろう。

さて、ヨタもこれくらいにして、今回のテーマ「速読法」が存在するとしたら、私としては、それは超能力に近い特殊能力であると信じる。

しかし。
仮に、英語の速読法をマスターした高校生がいるとしよう。
果たしてその生徒は、英語で書かれている大学の物理のテキスト、たとえば量子や素粒子などの論文も速読できるのであろうか。
果たしてその生徒は、英検1級の長文も速読できるのであろうか。
無理だろう・・・
このことから、もし速読法があるとしても、
①ある程度理解できる内容であること
②自分の持つ文法や語彙の力より易しい英文であること。
でなければ速読法も役に立たないことになる。
逆に言えば、「英語力」を身につけており、内容を読み取る国語的な読解力があり、雑学にも詳しい受験生であれば速読も有効であろう。
さらに、それらに加えて、そもそも
③ゆっくり読めば理解できる英語の読解力があること
が前提なのではないか?
ゆっくり読んでもわからないものが速く読んでわかるわけないしな。

ん・・・?
つーか、つまり速読法って、まず普通の英語の勉強が必要なのでは・・・?

経験者ならお分かりいただけると思うが、偏差値が上がれば自然に読むのは早くなる。
単語熟語と技術さえ習得してしまえば、英文を読めば読むほど速く、正確に読めるようになる。
受験科目と別に「速読法」を学ぶ必要はないし、やることを1つ増やすなんてとんでもない。

無理なペースで速読をしても、読み違えれば得点にはならない。
いろいろな過去問を解けばわかるが、英語長文には経験値が高いと有利だ。
いろんな知識があれば、それだけ英文は早く読めて、理解もしやすいものだ。
それに現代文が得意であれば、同じノリで英文を読むことも可能だ。

結論。速読をやる前に、まずはオーソドックスな英語学習をすること。
知識や読解のために現代文も世界史も政経も物理も化学も世の中のことも勉強すること。
それに勝る速読法はないのだ。

ちなみに大学受験英語の試験では、多くの場合、“大意の理解”と“細部の読み取り”が求められる。
長文が仮に読めたとしても、選択肢の短文の解釈を誤っていては得点力が落ちる。
文法や熟語の独立問題は、多くが短文で出題されるので、前後から意味を推測するわけにもいかないから細部の読み取りができるようにならなければならない。
国公立大学の和訳や要約では、下線部を読み取るときは細部の読み取りだが、文章全体と矛盾しないような日本語を作成しなければならない点で大意の理解も必要である。

速読法が気になるのもわかる。
模試を受けても偏差値50程度では、まず時間が足らないから余計にそう感じるのであろう。
しかし、模試は難しいから、偏差値50程度なら時間が足らないのが普通だし、最後まで理解して解けたらそれはもう偏差値60なのだ。
だから偏差値55以下が目標であれば、模試での時間不足を苦にしてもしかたがないのだ。
パラパラまんがをめくるようなスピードで英語が読めたらいいとは思う。
しかしそんな人間がそうそういるか? いないだろう? 少なくとも私の知り合いにはいない。
いない以上、いたとしても特殊能力の持ち主であり、うらやましがってもいいが真似をしても徒労に終わるにちがいない。
かく言う私は小学生の頃、真剣にスプーンを曲げようとしたことがあるのだ・・・



次回以降は、国語の常識を切る予定。






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