2018年2月26日月曜日

数学について その9


数学については、旧ブログでも一部言及していました。
今回のお話の具体例として、一部を修正して引用します。
ご参考になれば幸です。

・数の大きさが分かる
ノートに「1」の大きさを10cmで書いたとき、下に順に2分の1、4分の1、5分の1、10分の1、20分の1などの大きさの直線を描くとする。
このときに、計算しなくても2分の1を5cm4分の1を2.5cmにできるかどうかは、量がわかっている一つの指針になります。
このことが無理な場合、定規で測らずに測らずにだいたいの大きさが描けることができれば、まだ大丈夫です。
しかし、今までの経験から、2分の1や4分の1が極端に大きすぎたり小さすぎたりする子は、ちょと対策を考えたほうがいいでしょう。
具体的にはケースによると思われますが、多くは「量」ではなく「数」でわかるように訓練するのがいいと思います。リンゴやミカンなどの個数や、一番いいのはお金だと思います。お金の問題ってよく出ますからね。ちょうどいいでしょう。
これに気付かない子は、計算で求める方法を教えてそれができるようになっても、どこかで行き詰まる可能性が高いと思います。
数直線を図示することは絵画的な才能が必要なのかもしれませんが、算数・数学とも関連があるように思えてなりません。
科学的なデータはありませんので、あくまでも経験として、です。


・分数を量として認識する
このことを発展させると、分数の足し算や引き算、かけ算や割り算も、計算方法を知らなくても求めることができる場合があります。
むしろ、簡単な分数計算なら(2分の1×2分の1や2分の1+3分の1など)は計算で求めないでほしいと思っています。
しかしこのことを教室で小中学生に言うと、半数位の子が「???何言ってんの???」という顔をします。
それだけ、計算は筆算で丁寧にやるもの、という神話が浸透しているんですね。
2分の1×2分の1や2分の1+3分の1などは、半分の半分という概念の理解や、頭の中で図や数直線を思い描けばできるものなのです。
そういう概念や思考ができた上で先へ進むのと、計算方法のみ覚えて机上の紙の上だけで答えを出し続けるのとでは、先々で差が生じてしまうのは仕方のないことではないでしょうか。
私が今回の記事で言いたかったことが、ここに集約されているとまで言えます。

私は、(受け売りですが・・・)、そもそも計算とは実際に数を原始的に数えたり測ったりして、そこからある規則を見つけ、「こうした方が便利だ!」と誰かが気づいて、計算法則などが発見された、と認識しています。
だから子どもには、まず数えたり測ったり描いたりして「量」を知ってもらい、それから「便利な方法」として式や解き方を教えたい。

はじめに式があるのではなく、便利だから式を立てる。
そういうふうに思ってもらえれば幸いです。

相変わらず、私立の小学校や、また中学入試でも、解答に「式」を要求する学校はあります。
一方で、「式」は要求せず「考え方」を書くように要求する学校も増えてきました。
もちろん、私は後者に賛成です。
「考え方」は、図や日本語のみで算数数学を説明してもいいからです。
もちろん中学以降は式と日本語で正しく説明できなければなりませんが、ここまで読んでいただければ、中学入学以前までの間は、「式」は必須ではないと言えることがお分かりいただけると思います。


・答えの妥当性を知る

しつこいですが、答えの妥当性は大切です。

2分の13分の2を足したら答えは1より大きくなる。
何かを8で割ったらあまりは8より小さい。
何かを0.4で割ったらあまりは5とかにはならない。
何かを0.4で割ったら、答えは元の数より大きくなる
何かに0.4をかけたら、答えは元の数より小さくなる。
2割引きしたら売値は定価より安くなる。
車の速さを求める問題で時速4000kmになったら、どこかで間違えている。
4%の食塩水と10%の食塩水を混ぜたのに、答えが12%になった。おかしい。

などは当然分かるべきだし、わかるよう努力すべきです。
いや、むしろわかると楽しくなると思うし、成績も伸びると思います。
ミスに気付くようになるし、答えが予想できることによって方針や式を立てられることが多くなります。


それでは、次回は旧ブログにも掲載した中学入試問題を実際に解いてみます。


つづく

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