またひとつ、数学を使う上で重要な能力があります。
それは、「答えを予測する」能力です。
問題文中の数字より答えが大きくなるか小さくなるか?
答えが整数になるか分数になるか?
答えは1つか複数か?
などは、問題を解く前に、または問題を解きながら予測するものです。
そして答えを出した後にも、その出した答えが正しいのかどうかを検討するものです。
いくつか例を考えていたら、ありがたいホームページを見つけました。
計算問題なのですが、その答えが4択なのです。
無断ですが、ほんの少し拝借させていただきます。
例題1 36.4 - 25.125 =
➀17.15 ②10.219 ③11.275 ④1.12
お分かりになりますか?
これは、実際に計算することは不要です。
答えが小数第三位までの数になり、小数第三位の数字が5であることが分かれば、一発で答えが選べます。
解答:③
同様な問題をもう1題
問題1
269.9 + 71 + 43.5=
➀56.35 ②2793.45 ③248.7 ④384.4
解答はいちばん最後に。
では次です。
例題2
156÷4=
➀390 ②500 ③50 ④39
こちらは、まず1より大きい数で割ったら、答えは元の数より大きくなることを知っていれば➀と②は違うことがわかります。
次に、50×4が200であることが分かれば③は切れるし、または割られる数の下一桁が6であることから、9×4=36でちょうど下一桁が6になるため③を切って④を選ぶことができます。
同様な考え方で次をやってみましょう。
問題2
5730÷30=
➀191 ②202 ③2012 ④5841
解答はいちばん最後に。
では、次です。
例題3
78×32×19=
➀732 ②72512 ③7424 ④47424
これは少し難しいかもしれません。
78×32×19=を80×30×20=と概数で考えてしまう方法はどうでしょう?
そして8×3×2=24×2=52を出し、0を三つかけたので000をくっつけて、
52000という数を出します。この近似値が答えになるはずです。
別解として、答えの下一桁を考えるのもアリですね。
答えの下一桁の数字は、8×2×9=72×2で、4となります。
そもそも、選択肢の桁数がすべて異なるので、一発かもしれません
それでは類似問題です。
問題3
74×31=
➀229 ②2294 ③22944 ④1694
さて、いかがだったでしょうか。
他にも考えさせられる問題はたくさんあったので、興味のある方はホームページを訪れてみてください。(http://www.lojim.jp/calculation/quiz.cgi)無断リンクすみません。
もちろん、これらがすべてではありませんし、逆に、考え方をパターン化して覚えてしまうのではあまり意味がありません。
数学はそもそも、有限個のものをすべて数えるのが面倒くさいために発達した、と私は考えています。
もしこの世に九九がなければ、たとえば6×9なら6を9回足さなくてはなりません。
それが面倒くさいから、誰かが九九を発明したのです。
そう考えれば、数学は、もともと数えるのが基本だと言えるでしょう。
解法や手法や公式は、その面倒くささを和らげるものでしかありません。
数学は決して、公式を暗記して運用できるから終わり、ではないのです。
その証拠?に、難関大学の数学では必ずと言っていいほど「まず数えさせる」問題が出題されます。
ですから、解法の暗記や機械的作業は、数学ができるようになるための最大の阻害要因である、と言えなくないでしょうか?
とくに私立の小学校や中学受験塾で公式・解法・立式を重視しすぎるきらいは、疑問視どころか憂慮すべきであると考えるのです。
その点、非常に参考になる記事がありましたので、無断でリンクします(ごめんなさい)。
http://kosotatu.jp/study/%E3%80%90%E7%89%B9%E5%88%A5%E8%AC%9B%E7%BE%A9%E3%80%91%E6%95%B0%E5%AD%A6%E3%81%8C%E5%BE%97%E6%84%8F%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8B%E5%8B%89%E5%BC%B7%E6%B3%95%EF%BC%81/
数学の関門その3「答えを予測できること」
最後に、問題の解答です。
問題1:④(小数第一位の数字さえ考えれば)
問題2:➀(答えが割られる数より小さくなり、下一桁の数字が1になることさえ確認できれば)
問題3:②(下一桁の数字は4、近似値の70×30は2100になるので、選択肢の桁数で)
つづく
ご意見・ご連絡は・・・
へおねがいします。
0 件のコメント:
コメントを投稿