一般入試比率からAO推薦を考える
“一般入試比率”という言葉をお聞きになった方はいらっしゃるだろうか。
その字の通り、全入学者数に対する一般入試での入学者数という意味である。
一般入試以外の入試方法の中に、AO推薦入試が入っている。
ほかに帰国子女入試や社会人入試、付属校推薦なども含まれるが、一般入試比率が低いほど、AO推薦で入学する学生が多いのではないか? と予想できる。
ほかに帰国子女入試や社会人入試、付属校推薦なども含まれるが、一般入試比率が低いほど、AO推薦で入学する学生が多いのではないか? と予想できる。
以下は有名大学のその数字である。
<有名私立大学>
大学
|
定員
|
総入学者
|
一般入学
|
一般比率
|
青山学院
|
3712
|
4402
|
3117
|
70.8%
|
学習院
|
1815
|
1981
|
1151
|
58.1%
|
慶應
|
6404
|
6613
|
3910
|
59.1%
|
国際基督
|
620
|
576
|
313
|
54.3%
|
上智
|
3209
|
3444
|
2085
|
60.5%
|
成城
|
2955
|
3242
|
2121
|
65.4%
|
中央
|
5477
|
6217
|
3536
|
56.9%
|
東京理科
|
2885
|
3210
|
2621
|
81.7%
|
法政
|
4850
|
4963
|
3252
|
65.5%
|
明治
|
6520
|
6888
|
4739
|
68.8%
|
明治学院
|
2630
|
3038
|
1927
|
63.4%
|
立教
|
4130
|
4682
|
3181
|
67.9%
|
早稲田
|
5680
|
非公表
|
(2011年度)
|
62.4%
|
(旺文社大学の真の実力情報公開BOOK2013年度用より抜粋)
≪旧帝国大学≫
・東京大学:100% ・京都大学:100%
・大阪大学:99.3%・北海道大:97.2%
・九州大学:93.2% ・名古屋大:81.6%
・東北大学:81.1%
≪有名国立大学≫
・筑波大学:70.6%・お茶女大:80.4%
・広島大学:86.0%・横浜国大:90.0%
・千葉大学:90.0%・神戸大学:93.5%
・一橋大学:98.4%・東京工業:97.1%
≪地方国立大学≫
・兵庫教育:73.8%・高知大学:68.3%
・山梨大学:69.9%・群馬大学:71.1%
・徳島大学:71.6%・帯広畜産:74.6%
・福島大学:74.6%・香川大学:75.7%
・静岡大学:76.9%・宇都宮大:77.2%
≪公立大学≫
・島根県立:45.5%・山口県立50.0%
・都留文科:52.2%・群馬県立女57.5%
・埼玉県立:60.0%・長崎県立64.7%
・北九州市立:68.3%・京都府立76.0%
・首都大東京:80.6%・大阪府立85.1%
・東京大学:100% ・京都大学:100%
・大阪大学:99.3%・北海道大:97.2%
・九州大学:93.2% ・名古屋大:81.6%
・東北大学:81.1%
≪有名国立大学≫
・筑波大学:70.6%・お茶女大:80.4%
・広島大学:86.0%・横浜国大:90.0%
・千葉大学:90.0%・神戸大学:93.5%
・一橋大学:98.4%・東京工業:97.1%
≪地方国立大学≫
・兵庫教育:73.8%・高知大学:68.3%
・山梨大学:69.9%・群馬大学:71.1%
・徳島大学:71.6%・帯広畜産:74.6%
・福島大学:74.6%・香川大学:75.7%
・静岡大学:76.9%・宇都宮大:77.2%
≪公立大学≫
・島根県立:45.5%・山口県立50.0%
・都留文科:52.2%・群馬県立女57.5%
・埼玉県立:60.0%・長崎県立64.7%
・北九州市立:68.3%・京都府立76.0%
・首都大東京:80.6%・大阪府立85.1%
(yahoo!知恵袋http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n32089より)
これを見ると、私大や地方国公立大では、AO推薦での入学がかなりいる、と予想できる。
生徒数がピークだった数十年前からすれば考えられない数字ではある。
たしかにコレを見ると、AO推薦のほうが入りやすいかなあ・・・と思えてくる。
本当にそうなのか!?
そもそも、なぜAO推薦が増えているのだろうか。
学力だけでなく多彩な人材を・・・というのが事実としても、建前としてもあるだろう。
しかし一方で、少子化のせいだとも言える側面があるのではないだろうか。
1つに、少子化で学生数が少ないため、早めに入学定員を確保したいため。
2つめは、一般入試の合格者を減らし、倍率や偏差値を上げるため。
という2つの理由が考えられるのだ。
1つ目の理由は、学生がなかなか集まらず、経営が苦しい大学に多いだろう。
2つめの理由は、合格者を減らせば合格者の偏差値が上がるため、優秀な学生を増やしたい大学に多いだろう。
と、“多彩な人材を集めたい”というのが建前になってしまっていることも考えられるのだ。
例えば、早稲田や慶應は学生数ピークのころには、一般入試で10倍程度の倍率があり、偏差値も現在と同じくらいだった。
ところが現在の一般入試倍率は4~6倍程度。それで偏差値は変わっていない。
もしAO推薦で入学する学生を減らせば、一般入試倍率は3倍程度になり、偏差値は当然下がると予想される。
それは早稲田や慶應の商品としての価値を傷つけかねない、と大学関係者は考えて当然と思う。
もちろんこのことは早慶に限らない。
偏差値をウリにする大学にはその傾向があって当然だ。
偏差値を維持するため、AO推薦の増加は苦肉とも言いえる策なのかもしれない。
一方、大学だって商売だから、学生が集まらなければつぶれてしまう。
経営難の大学があることはマスコミでもよく報道された。
そのような大学にとっては、AO推薦はなくてはならない制度だと思う。
だからといって非難する必要はない。いやなら受験しなければいいだけだ。
次に、「国公立はAO推薦で入りにくい」「早慶はAO推薦で入りやすい」など、おおざっぱにひとくくりにして語るのは危険だということをわかっていただきたい。
ある程度の傾向はたしかにあるが、基本は個別対応をしなければならない。
つまり、AO推薦か一般入試かを考えるとき、必ず大学別・学部別・学科別に調べろ、ということである。
800もある大学をすべて調べるのはすごく大変で、ここでも有名な大学しか紹介できないが、もし本気で行きたい大学があるのなら、その大学のHPをよーく調べてほしい。
それは人に頼るべき類のものではない。
では、それを確かめるために、次回は大学別に倍率を見てみようと思う。
つづく
ご意見・ご連絡は・・・
へおねがいします。
0 件のコメント:
コメントを投稿