2013年6月20日木曜日

大学入試の真実シリーズ① AO・推薦は受かりやすいか その2

一般入試比率からAO推薦を考える

“一般入試比率”という言葉をお聞きになった方はいらっしゃるだろうか。
その字の通り、全入学者数に対する一般入試での入学者数という意味である。
一般入試以外の入試方法の中に、AO推薦入試が入っている。
ほかに帰国子女入試や社会人入試、付属校推薦なども含まれるが、一般入試比率が低いほど、AO推薦で入学する学生が多いのではないか? と予想できる。

以下は有名大学のその数字である。
<有名私立大学>
大学
    定員
 総入学者
 一般入学
 一般比率
青学
455
534
422
79.0%
青学
685
825
577
69.9%
青学
490
537
389
72.4%
青学
277
323
239
74.0%
青学
490
611
419
68.6%
青学
285
307
207
67.4%
青学
200
249
143
57.4%
青学
235
309
184
59.5%
 
595
707
537
76.0%
青山学院
3712
4402
3117
70.8%
学習
480
475
245
51.6%
学習
500
567
351
61.9%
学習
625
703
409
58.2%
 
210
236
146
61.9%
学習院
1815
1981
1151
58.1%
慶應
1200
1213
421
34.7%
慶應
425
448
297
66.3%
慶應
1200
1206
726
60.2%
慶應
1000
1031
603
58.5%
慶應
800
803
601
74.8%
慶應
425
448
297
66.3%
慶應
932
1021
619
60.6%
慶應
100
104
91
87.5%
慶應
210
227
186
81.9%
 
112
112
69
61.6%
慶應
6404
6613
3910
59.1%
国際基督
620
576
313
54.3%
上智
330
380
285
75.0%
上智
330
358
264
73.7%
上智
510
581
406
69.9%
上智
500
572
296
51.7%
上智
48
57
22
38.6%
上智
305
356
200
56.2%
上智
186
105
0
0.0%
 
380
459
299
65.1%
上智
3209
3444
2085
60.5%
成蹊
430
480
330
68.8%
成蹊
480
515
313
60.8%
成蹊
440
482
292
60.6%
成蹊
390
385
221
57.4%
成城
240
253
159
62.8%
成城
360
387
253
65.4%
成城
375
448
345
77.0%
 
240
292
208
71.2%
成城
2955
3242
2121
65.4%
中央
1370
1534
805
52.5%
中央
250
296
195
65.9%
中央
985
1141
632
55.4%
中央
1112
1237
603
48.7%
中央
900
979
638
65.2%
 
860
1030
663
64.4%
中央
5477
6217
3536
56.9%
理科
240
244
175
71.7%
理科
600
653
518
79.3%
理科
450
543
453
83.4%
理科
300
315
239
75.9%
理科
1115
1251
1066
85.2%
 
180
204
170
83.3%
東京理科
2885
3210
2621
81.7%
法政
790
753
446
59.2%
法政
840
849
539
63.5%
法政
735
754
487
64.6%
法政
605
682
468
68.6%
法政
150
161
127
78.9%
法政
320
369
226
61.2%
法政
280
284
154
54.2%
法政
50
47
6
12.8%
法政
510
522
406
77.8%
法政
200
200
148
74.0%
法政
220
221
164
74.2%
 
150
121
81
66.9%
法政
4850
4963
3252
65.5%
明治
900
921
708
76.9%
明治
1030
1111
679
61.1%
明治
650
650
430
66.2%
明治
1020
1070
666
62.2%
明治
775
723
498
68.9%
明治
300
315
224
71.1%
明治
400
443
357
80.6%
明治
925
1067
693
64.9%
 
520
588
484
82.3%
明治
6520
6888
4739
68.8%
明学
575
696
458
65.8%
明学
610
691
464
67.1%
明学
445
524
352
67.2%
明学
270
318
156
49.1%
明学
470
534
307
57.5%
 
260
275
190
69.1%
明治学院
2630
3038
1927
63.4%
立教
530
602
387
64.3%
立教
605
698
460
65.9%
立教
350
392
200
51.0%
立教
800
915
638
69.7%
立教
115
132
76
57.6%
立教
465
506
342
67.6%
立教
335
366
291
79.5%
立教
290
329
196
59.6%
立教
265
333
269
80.8%
 
375
409
322
78.7%
立教
4130
4682
3181
67.9%
早大
740
892
非公表
#VALUE!
早大
900
1051
非公表
#VALUE!
早大
900
1063
非公表
#VALUE!
早大
660
772
非公表
#VALUE!
早大
960
1059
非公表
#VALUE!
早大
630
778
非公表
#VALUE!
早大
560
634
非公表
#VALUE!
早大
860
975
非公表
#VALUE!
早大
600
528
非公表
#VALUE!
早大
535
605
非公表
#VALUE!
早大
595
647
非公表
#VALUE!
早大
540
635
 
#VALUE!
早大
400
456
 
#VALUE!
早稲田
5680
  非公表
 (2011年度)
62.4%
(旺文社大学の真の実力情報公開BOOK2013年度用より抜粋)

≪旧帝国大学≫
・東京大学:100% ・京都大学:100%
・大阪大学:99.3%・北海道大:97.2%
・九州大学:93.2% ・名古屋大:81.6%
・東北大学:81.1%
≪有名国立大学≫
・筑波大学:70.6%・お茶女大:80.4%
・広島大学:86.0%・横浜国大:90.0%
・千葉大学:90.0%・神戸大学:93.5%
・一橋大学:98.4%・東京工業:97.1%
≪地方国立大学≫
・兵庫教育:73.8%・高知大学:68.3%
・山梨大学:69.9%・群馬大学:71.1%
・徳島大学:71.6%・帯広畜産:74.6%
・福島大学:74.6%・香川大学:75.7%
・静岡大学:76.9%・宇都宮大:77.2%
≪公立大学≫
・島根県立:45.5%・山口県立50.0%
・都留文科:52.2%・群馬県立女57.5%
・埼玉県立:60.0%・長崎県立64.7%
・北九州市立:68.3%・京都府立76.0%
・首都大東京:80.6%・大阪府立85.1%
yahoo!知恵袋http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n32089より)

これを見ると、私大や地方国公立大では、AO推薦での入学がかなりいる、と予想できる。
生徒数がピークだった数十年前からすれば考えられない数字ではある。
たしかにコレを見ると、AO推薦のほうが入りやすいかなあ・・・と思えてくる。
本当にそうなのか!?

そもそも、なぜAO推薦が増えているのだろうか。
学力だけでなく多彩な人材を・・・というのが事実としても、建前としてもあるだろう。
しかし一方で、少子化のせいだとも言える側面があるのではないだろうか。
1つに、少子化で学生数が少ないため、早めに入学定員を確保したいため。
2つめは、一般入試の合格者を減らし、倍率や偏差値を上げるため。
という2つの理由が考えられるのだ。
1つ目の理由は、学生がなかなか集まらず、経営が苦しい大学に多いだろう。
2つめの理由は、合格者を減らせば合格者の偏差値が上がるため、優秀な学生を増やしたい大学に多いだろう。
と、“多彩な人材を集めたい”というのが建前になってしまっていることも考えられるのだ。
例えば、早稲田や慶應は学生数ピークのころには、一般入試で10倍程度の倍率があり、偏差値も現在と同じくらいだった。
ところが現在の一般入試倍率は46倍程度。それで偏差値は変わっていない。
もしAO推薦で入学する学生を減らせば、一般入試倍率は3倍程度になり、偏差値は当然下がると予想される。
それは早稲田や慶應の商品としての価値を傷つけかねない、と大学関係者は考えて当然と思う。
もちろんこのことは早慶に限らない。
偏差値をウリにする大学にはその傾向があって当然だ。
偏差値を維持するため、AO推薦の増加は苦肉とも言いえる策なのかもしれない。

一方、大学だって商売だから、学生が集まらなければつぶれてしまう。
経営難の大学があることはマスコミでもよく報道された。
そのような大学にとっては、AO推薦はなくてはならない制度だと思う。
だからといって非難する必要はない。いやなら受験しなければいいだけだ。


次に、「国公立はAO推薦で入りにくい」「早慶はAO推薦で入りやすい」など、おおざっぱにひとくくりにして語るのは危険だということをわかっていただきたい。
ある程度の傾向はたしかにあるが、基本は個別対応をしなければならない。
つまり、AO推薦か一般入試かを考えるとき、必ず大学別・学部別・学科別に調べろ、ということである。
800もある大学をすべて調べるのはすごく大変で、ここでも有名な大学しか紹介できないが、もし本気で行きたい大学があるのなら、その大学のHPをよーく調べてほしい。
それは人に頼るべき類のものではない。

では、それを確かめるために、次回は大学別に倍率を見てみようと思う。


つづく



ご意見・ご連絡は・・・
へおねがいします。 

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