2012年12月26日水曜日

勉強法の常識を疑うその6~現代文・国語の常識と真実2



ゴン桜より

このブログではド○ゴン桜の話題も多い。
これは、漫画・ドゴン桜が私的に名著であると思うがゆえんであります。
塾でドゴン桜の話をすると、知っている子はドラマで見た(DVDで見たのか?)という子だけであり、マンガで読んだという子はいない。
私は逆にドラマは見ていないが、マンガとは異なる印象を与えるものではないかと想像している。
ドラマって、原作と違うことよくあるしね。

マンガ版ドゴン桜の優れているところは、まず高校生の心理をつかんでいる点だと思う。
次いで、特別講師が実在の人物をモデルにしている点だ。
ところが、ほとんどの子の感想は、「あんなの不可能だ」である。
「ギャグでしょ」と言う子もいる。
誰も登場人物の心理には注目していない。触れてもいない。
ドラマが原作と異なっているのか、私の感想とはえらい違いなので、今度マンガを塾に持っていて読ませようかとも思う。

さて、マンガ版においてもやはりテクニック面や東大合格という結果が強調されている感もあるが、ベテラン講師にとってはそれらはとくに目新しいものではないだろう。参考になることもあるが。
で、先の2点に加え、個人的なドゴン桜の特筆すべき点は、
1、きれいごとが排除されている点
2、長時間にわたる勉強時間を確保できている点
2点だ。
きれいごとが排除されれば「真実」だけが残るから、このブログの主旨と合致している。
勉強時間の確保も、本当にうらやましい。
ゴン桜の登場人物は115時間、年間300日を特別講師にべったりへばりつかれながら勉強している。
想像してほしい。並みのモチベーションであれば頭がおかしくなるだろう。
それだけやれれば1年で東大合格も可能かもしれないと思えてしまう。

そんなマンガだから、特別講師のセリフには信憑性がある。
実在の人物がモデルなのだ。だから引用したくなる。
そんな登場人物に、芥山という先生がいる。国語の特別講師だ。
その先生と私の意見が近いため、リスクを犯しても引用させていただく。

32人と同僚の国語教師の前で、芥山先生は断言する。
「出題される問題文は非常に難しい。そして時間の割に文章が長い。」
「大人が読んでも苦労する文章です。高校生に読んでパッとわかれと言うのが無理です。」
「ところが真面目な人はそうは思わない。繰り返し読んで内容を深く理解してから問題を解こうとする。」
「テスト時間内に内容を理解しようとあがいても解答には近づきません。」

そう前置きした上で、次のように告げる。
「問題を作る人の召し使いになれ。」
「自分では何も考えてはいけません。」

これを聞いた同僚の国語教師は思う。
「ひどい。いくらなんでもひどすぎます、芥山先生…」

芥山先生はテクニックと客観性を重視する人であります。
しかし人間の心理・真理をつくような言葉を次々と投げかける人でもあります。
決して、受験が終わればそれまでよ、という類のテクニックを教える人ではない。

このように、ドゴン桜をギャグだと思わずに、真剣に、書いてあることのすべてを吸収しようと思って読めば、バイブルになるようなマンガだと思う。
でもひょっとしたら、何かを犠牲にしてでも本気で何かを手に入れようとしている人でないと、心に響かないのかもしれない。

つづく






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